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「そして、バトンは渡された」感想 家族のカタチはひとつじゃない。

書籍

 

「困った。全然不幸ではないのだ。」

4回も名字が変わり、まるでリレーのように血のつながらない親たちへと受け渡されていった優子の人生。

傍から見れば、彼女は「可哀そうな子」との烙印を押されてしまいそうなのですが、当の優子は自分のことを全然不幸だとは思わないのです。。。

 

こんにちは!モカです。

今回は2019本屋大賞を受賞した、瀬尾まいこさん著「そして、バトンは渡された」を紹介します。

 

 

あらすじ

 

私には父親が三人、母親が二人いる。

家族の形態は。十七年間で七回も変わった。

でも、全然不幸ではないのだ。

そして、バトンは渡された 瀬尾まいこ

 

主人公である高校生の優子は、周りから見れば複雑な家庭環境であるにも関わらず、彼女自体はサバサバとした温厚で冷静な性格の持ち主。

彼女は4回も名字が変わり、5人の親を持つという特殊な経験をしているのです。

周りの大人から見れば「不幸な子」に見えますが、彼女は全くとして自分を不幸だとは思わないのです。

なぜなら彼女は親たちに愛されてきたから。

彼女を育ててきた〝親たち〟はそれこそ間違った愛情もあるかもしれないけれど、それでも優子に無償の愛を与えてきました。

血は繋がっていなくても、特異な親子関係だったとしても、「お父さん」「お母さん」と呼べなくても。

一緒に過ごしていくうちに、家族としての繋がりは確実に出来上がっていきます。

本当の家族でない分お互い気を遣いあったり、本当の思いを打ち明けることが出来ないときもあります。

身勝手な親たちかもしれないけど、それでも優子を大切にしてくれる人へとバトンが繋がっていくのです。

 

 

登場人物 ※ネタバレあり!

生みの両親 母は幼いころに他界。父親は仕事のためブラジルへ。

 

梨花 優子の父親と再婚した2番目の母となる女性。若くて美人だが、自由奔放でわがままなところがたまにキズ。

仕事のためブラジルに行きたい父と、日本に残りたい梨花の間に挟まれて、結局優子は日本に残ることを選び父と離れ離れになる。

その後、優子と梨花は2人で貧乏生活を送ることになるが、梨花は優子にピアノを与えるため、お金持ちの泉ヶ原さんと再婚する。

 

泉ケ原 梨花と再婚したお金持ちの初老男性地で、優子の2番目の父となる。前妻を亡くしている。口数は少ないが優しく、梨花が家を出てしまった後も中学生となった優子の面倒を見てくれている。

ピアノを弾く優子を優しく見守り、密かにピアノを調律してくれている。

 

森宮 優子の最後の父となる男性。東大を出て一流企業に勤めている。

梨花と結婚するが、またまた梨花が家を出ていってしまったため、森宮が高校生となった優子の面倒を一人で見ることになる。

すぐ愚痴ったり嫌味を言ったりするが、実は優子のことをとても大切にしている。

 

感想 ※ちょっとネタバレあり

読み終わった後は心があったかくなる素敵な小説です。

4回も名字が変わり、7回も家族形態が変わった特殊な経験をした優子は、周りがびっくりするぐらいのまっすぐないい子に育っていきます。

血のつながった親でなくても、深い愛情を持って接すれば、子どもはしっかりと育つのだなと思わせてくれる作品。

この作品で一番魅力的なのは梨花さんだなと思います。

小学生ながらに、自分の継母となった梨花に対して少し気を遣う優子。「お母さんって楽しいの?」と聞いた優子の問いに、梨花がこう答えたのが印象的でした。

「うん、楽しい。優子ちゃんと一緒にいると、とっくの昔に過ぎ去ったはずの、八歳の生活をもう一回体験できるんだもん。子どもがいないとできないことっていっぱいあるって知った。」

結婚していきなり8歳の女の子の母親となった梨花。自由奔放で優子を振り回す存在となるのですが、親たちの中で一番優子を愛していたのも彼女だったんだと思います。

血が繋がっていなくても、親子の絆はちゃんとできあがっていく。

遠く離れていても、もう会わなくなってしまったとしても、お互いが思いやって生きていれば親子の関係はずーっと続いていくのですね。

世間の目なんか気にしないで良い、周りの常識なんかに囚われなくても大切な人を思いやれれば良いんだとこの作品はそう思わせてくれました。

読んだ後、自分の家族のことを振り返ってみて「私もちゃんと親や兄弟に愛情を伝えなきゃな」としみじみ思いました。

 

そして、バトンは渡された」は電子書籍でも読めます。詳しくはこちらをクリック

 

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